テキストサイズ

好きになったらダメだよ

第7章 一緒に作ったらいいじゃん?

手を伸ばして伊都の頬に触れる。


私はまだ知らない。


どうして伊都が一人暮らしをしているのか、家族がどこにいるのか、いつからこのような状態なのか。


「……愛莉?」


伊都の瞼が少し動き、眉間に皺が入る。


腕が伸びて、ギュッと私を抱きしめる。


「柔らかくて気持ちいい。」


そう言って腰の辺りに手を回してくる。


うん……確かに私、お世辞でも細くはないからね。


伊都の胸の中に顔を埋めて目を閉じる。


また少し眠れそうな気がした。


この体温と匂いのもとで。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ