好きになったらダメだよ
第7章 一緒に作ったらいいじゃん?
「久しぶりだね。」
そう言って伊都は手を伸ばして、指先に私の髪を絡めた。
思わず伊都から目をそらしてしまう。
「今日、愛莉の家に行かせてよ。」
「ええっ⁉︎」
メイド服⁉︎それにはまだ心の準備が……
「メイド服は冗談だよ。頑張ったご褒美に、愛莉の手料理が食べたい。」
「……うん……いいよ……あ、でも帰る前にちゃんと買い出ししないと……」
冷蔵庫の中にはたいしたものは入っていない。
「じゃあ荷物持って行くね。」
伊都は立ち上がると、私の額にキスを落として、部屋を出て行った。
……なんていうのか
残された私は放心状態。
久しぶり過ぎて
心臓がキュってなって
体がもたない。
伊都に触れたい。