好きになったらダメだよ
第2章 そのためのセフレでしょ?
「愛莉ー、おはよー。」
すぐに背後から抱きすくめられる。
「ちょっと、学校で何やってるの?」
力をかけて彼の腕を解き、キッと彼を睨みつける。
学生鞄の手提げの部分を肩紐にして、リュックサックのように背負い、制服をだらっと着崩して、彼は立っていた。
睨まれたことに動揺する風はない。
「なんだよ、昨日はあんなに喘いでいたくせに。」
うっ……。思わず目を伏せる。
分かっている。結局私はセフレの契約をして、あのまま舌でいかされて、こいつはズボンすら脱ぎもしなかったことも。
「あ、ちゃんと課題してきたよ。」
川田くんは学生鞄をおろして、中から数学の課題プリントを出した。
あのあと、課題なんてできる状況じゃなかったから、彼には家に持ち帰らせたのだ。