好きになったらダメだよ
第2章 そのためのセフレでしょ?
やればできるんじゃん。
川田くんからプリントを受け取ろうとした矢先、腕を強く引っ張られて、そのまま彼の腕の中に抱きしめられた。
バサバサと床に散らばるプリント。
「ちょっと……」
拾おうと思っても、今度は私の力じゃビクともしない腕力。
「先生、おはようのキスがまだだよ?」
……こういうときだけ先生って呼ぶのずるい……。
川田くんの親指が私の下唇をなぞり、そのまま顎を軽く持ち上げられてキスされた。
「んんっ……」
こんなにも簡単に彼を受け入れたらダメなのに。
でも……
背中に手を回してしまう。
真っ白なブラウスに爪を立ててしまう。
「はぁはぁ……」
唇を押し付けて、お互いの舌をからませ、唾液で満たしていく。
私の口腔内を彼の舌がいやらしくなぞっていく。
「んっ…あんっ…んんっ……」
「愛莉、今夜、俺の家に来いよ。」
えっ……?
「俺、一人暮らししてんの。」
唇が離れて今度は彼と視線が絡む。
ふっと、川田くんは子どもらしく、あどけなく笑うと、くしゃくしゃと私の髪を撫で、手に一枚の紙を握らせた。
「待ってるから。」
それだけ言い残して、部屋を立ち去る彼の後ろ姿に、私は何も言うことができなかった。