
好きになったらダメだよ
第3章 声は出したらダメだよ?
放課後に教育研究部の会議が入った。
伊都にこっそり鍵を返そうと思ったのに、主任にプリントを託すことになってしまった。
……今日は全然話してない……。
ふと、そんなことを思い、真っ黒な絵の具で塗りつぶした。
「主任、そしたらお願いします。川田くんに忘れずにやるように伝えて下さい。」
少しでも準備室にいる時間を引き延ばしたかったけど、研究部の部長に呼び出しをくらい、後ろ髪を引かれながら会議室へ向かった。
今日の会議は長引きそうな予感だ。
受験生である3年生の模試が返ってきて、それの分析にあたらなくてはならない。
