テキストサイズ

ぜんぶ二人ではじめて

第2章 そんなはずないのに

ワーーッ!

またも歓声があがる。

気がつくと、野球のギャラリーが増えていた。

「晃くん、カッコイイ!」

「好きかも!」

「すごいね!カッコイイね!」

あちこちでそんな声が聞こえてきた。

また、人気上がっちゃったな~。

そう思いながらも、なんだか誇らしく感じていた。

次のバッターは5番、泰宏くん。

泰宏くんて、普段、そんなにものすごくカッコイイとか、すごいとか、感じないんだけど、フルートの時もそうだったけど、今も、何かに集中してるときって、ほんと、カッコイイ!

私の位置からは、泰宏くんの顔がよく見えた。

口元が……

『打てる!』

そう、動いた気がした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ