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ぜんぶ二人ではじめて

第44章 告白と変化

side 泰宏

……ナナちゃんと別れた。

俺、やっぱ、我慢できないバカヤローなんだな。

あんな後味悪い終わり方、嫌だったのに。結局、欲に負けた。

美月は、ガキの頃から一緒にいて、一緒に育ってきて、4つ年下だけど、しっかり者で、妹みたいに思ってた。

中学に上がってから、どんどん背も高くなって、スラッとしてきて、まるでモデルみたいに手足長くなるわ、胸も……

Cくらいかな。

小さすぎず、大きすぎず、手頃なサイズ!

てか、俺、やっぱ、胸好きなんだな。

俺はナナちゃんを失ってもこうして美月のことばかり考えてて。薄情なヤツだと改めて思った。

あんなにナナちゃん!ナナちゃん!って…ついこの間まで言ってたのに。

そこに関しては、ナナちゃんも同じか。

竜一くんと…そうか。

最近、竜一くん、やたら背高いし、野球でも活躍すごいし…騒いでる女子、多かったもんな。

もうナナちゃんから連絡がないのなんて当たり前なのに、スマホを見る。親衛隊がいるから大丈夫だろう。

それより美月だ。あのまま本当に帰ったのか?

コンコン……

ドアをノックする音がした。

「はい。」

ガラッ……

「ヤス兄……」

「美月!」

「ヤス兄、昼間はごめんなさい。」

「お前、こんな遅くなって、大丈夫なのかよ?」

「大丈夫。病院の近くの友達んとこ泊まるの。」

「そうか。」

「ヤス兄……」

「ん?」

「やっぱ……ダメだよね。」

「何が?言ってくれないと分かんねぇ。」

「もっと……ちゃんと……キスしたくて……戻ってきたの。」

その瞳がしっかり、女の瞳だった。

「美月……」

めちゃくちゃ照れてる…

「……ヤス兄……」

そう言って、美月が俺の胸に抱きつく。

ドキッ!

ヤバい……

「寂しいよぉ…」

そう言って泣きつく。

仕方のないヤツだ。

いや、可愛いヤツだ!だな。

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