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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第11章 ちーちゃんの夏休み♡partⅢ♡







「ちーちゃん、早く入んないと焼けちゃうよ?紫外線怖ーい、怖いだから。ほらぁ、そこの荷物係もしっかり働きなさーい」

「えー、無理だしー。今の一撃でオレ動けないしー」

「はい、無ー視」


なんてあっちの方でブーたれる聖くんを完全に路上に放置し、天国の海を背にしたままポカンと佇むばかりのアタシを覗き込んで笑った葵くんが、目の前のどデカい家の門に手を掛ける。


「えーと…あの、」

「どうしたの、ちーちゃん。もしかして車に酔っちゃった?」


いや、そうじゃなくて…

あたかも当たり前のように目の前の建物の中に入っていく葵くんの背中を目に、こんなにもポカンとしているのにも明らかな理由がありまして。


「え、あ、ここ…」

「ん、何処?もしかしてエアコンで急に冷えてどっか痛いの?」

「………」


あぁぁ…

そうじゃない。アタシが言ってるのはそっちの"ここ"じゃなくて、"Where are we now?"の方なのに。

いつ如何なる時でもお構い無くお釣りが出るくらいの心遣いをしてくれる爽やかプリンス・葵王子。彼の耳はアタシの言葉を迷いなくそっち方面へ直訳する。





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