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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第13章 ちーちゃんの夏休み♡partⅤ♡






それにさ……

"アイツら連れてきたらどうなるかわかってるよな…"

出国前にオレと渚さんが千隼に言ったそんな言葉。


けどな…

かといって、実際なってみての話…

アイツを咎める気にはどうしてもなれなかった。


勿論、オレも渚さんもこのまま大人しくしてるつもりなんてはこれっぽちもないけれど…

もし、自分が葵たちの立場だったら!?

もし、立ち位置が逆転していたら?

…時間と都合が許す限り、きっと同じことをしていたんだろうとそう思う。


「…………クソ、逢いてぇ…」


千隼を目の前でかっ拐ってった葵たちの居場所はすぐに見当がついた。その気になればすぐに追いかけることもできた。

でも…

"…動くのは今じゃない"

あのときオレを引き留めた渚さんの言葉が耳に甦る。

あっちには策士のクソガキ。すぐに動いたら絶対に思うツボ…だなんて、そんなことはわかっちゃいるけど…


──でも、逢いたい…






「ッ、…あァァァー、もうっ…!!」


なんなのコレ!!

…ヤメる!!

もうヤメだ、ヤメヤメ!!

いったいいつからこんな、いつまでもグチグチするキャラになったんだ!?

考えてもしょうがねぇ。


─隣にアイツがいない…


たったそれだけのことだけじゃないか。


「…………」


たったそれだけ…

たったそれだけのことなのに…



「こんなに変わるもんかよ……」



さっきからつついてる虹色のかき氷もどこか味気ない。

目に見える、

肌で感じる、

世界の色がなんか足らない…


そんな気が…した。





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