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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第4章 バレンタインの事情♡その③








さっさと部屋に連れて帰ろうと思ったけど、これじゃな…


オレのシャツの袖まで見事に濡らし、軽く痙攣を起こす彼女のカラダをゆっくりと抱き上げる。

そして、膝のうえに向き合うように座らせると、髪を掻き上げ耳元に唇を寄せた。

無論そこで目に留まるのは、耳たぶで光るオレの知らないピアス…

ホワイトゴールドに淡いパープルブルーの夕空色の石が目を引く。

恐らくこの石はタンザナイトだ。

確かタンザナイトは12月の誕生日石で…

って、なんでこいつが…


考えを巡らせながら見慣れないピアスをしばらく眺めたところで、オレは気づいてしまう。


そういやこいつ、昨日の日中、誰といた!?

ウチにいる冬生まれのオトコっていったら…

あ……


「………!!」


"葵に泣かされた分、優しくしてやる…"


さっきまでそう言うつもりだった。

しかし、


「…そんなに葵がよかったか!?」


─該当者有り。

浮上した容疑者の大胆にも当て付けのようなマーキングにまんまと当てられて予定変更。


これには葵もまんまと当てられたに違いない。

この時期になると街中でおきるチョコレートハザードの拒絶反応で決まって弱る葵…

故に千隼に見送ってもらえないと仕事に行けないと駄々をこね、だったら朝から抱き潰すんじゃねぇ!!とさんざんオレらに絞られたのが記憶に新しい。

その際に広告の裏に書かされた反省文には血判が押され、額縁に入れられた状態でオレたち全員に配られた。






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