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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡

第5章 ちーちゃんの夏休み♡







あ…そういうことか。


渚くんが海外となれば、大空に羽ばたくのは紛れもなく紫堂家のプライベートジェット。

となれば、入出国手続きや黄色い悲鳴をあげるギャラリー諸々を含めたストレスフリーのフライトは雅くんにとっても好都合間違いないのだ。

海外かぁ…♪


「それで、どこに行くの?」

「別に、大したところじゃねぇよ。遊びに行くわけじゃねぇし、正直この時期は人が多くてめんどくせぇ」


えっと…

あからさまに面倒そうな様子で、書類を手から力なく床へばらまく雅くん。

すると、


「…ホノルル」


タバコを灰皿に落とした渚くんが、窓の外から照りつける太陽に目を細めてボソッと呟いた。


「ふーん…」


ホノルルかぁ…って、そうなの!!


─ガタッ!!


「あ!?」

「……」


告げられた行き先に思わずカラダが過剰反応を示して、ソファーから音をたてて立ち上がる。

だってホノルルだよ!!

ハワイだよ!!


頭のなかに昨日の夜、葵くんの部屋で一緒に見ていた海外の写真集の映像が鮮明に蘇る。

おかげでハワイといえば、今アタシが一番行きたい場所でもあって…

だけど、

"行きたい"って言えば、"なら今から行くか"って言ってくれるのも目に見えてるし、

実際に引っ張ってでも近所のコンビニ感覚で連れて行ってくれちゃうんだろうなってわかるからこそ、確実に負担になるであろうこのタイミングでは絶体言えないわけで。





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