
今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第6章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚
「し、失礼しま…」
「………待て、小娘」
っ…!?
丁重にそう頭を下げ、玄関に引っ込もうとするや否やなぜか引き留める明智氏。
「仕方がない、貴様のために仕事をしてやる…」
…!?
挙げ句の果てには謎の呟きが耳を掠めていく。
そして、
「千隼さま…」
「………」
へ…!?
えええっ‼
明智…さん?
今、なんだって?
鬼対応から態度を一変させ、突如アタシに向かって頭を下げた明智氏。
「あの…」
急に神対応とか、余りにもの豹変っぷりにそれ以上の言葉がでてこない。
すると彼はそんなアタシに向かって完璧な笑顔を向けてくる。
「…お召し物を。出かける準備をなさってください」
「………」
へ…
出かける、準備…って?
「え…と…」
戸惑うアタシ。しかし、明智氏の完璧な笑顔は崩れない。
「社長が…紫堂が、この書類と一緒に千隼さまをお連れするようにと。ランチを是非ご一緒に…と申しております」
「…っ‼」
渚くんが!?
「なにせやむおえぬ急な呼び出しだったもので、お詫びの意味も込めて、と…」
さらに驚くアタシに物腰柔らかく続ける明智…執事。
しかし…
「お分かりの通り、紫堂も私(ワタクシ)も多忙の身…ですから千隼さま?」
「あ…はい」
「誘いをお受けになるのであれば、早急にご準備ください。まぁ最も、貴女が書類をきちんと用意できていなければ、こんなことをお伝えするつもりはございませんでしたけど♪」
……なっ!!?
