テキストサイズ

Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第4章 バレンタインスイート~彬編~

 練習が終わると俺は琉依にメールを送る。

“期間限定の大きなチョコ置物の前に夜、十時”

“了解”

 と琉依から返信が来た。



解散後、待ち合わせ場所へ向かう。十五分前。琉依はすでに来ていた。

「琉依~待ったか?」

「別に」

 琉依は、そっけなく答える。冷たいな~と思いながら琉依を見ているとあることに気づいた。

「目、腫れてる。泣いてたか?」

「今日の昼のチョコ……グスッ……うぅ……」

「それは、大丈夫だって。気にすんな。なっ!」

 俺は、琉依の顔を覗き込んだ。

「ありがと……」

 琉依は笑顔になった。

「じゃ、行くか? はい!」

 俺は、琉依に手を差し伸べる。琉依は、照れる。可愛い。俺の家へ向かう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ