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Dream Kiss~それぞれのバレンタイン~

第10章 悲しき旋律~奏華編アンサー~

 俺は音楽教師をしている。昔からピアノが好きだった。

 ピアニストになりたいなんて一時期は思っていたっけ。

 だけど、高校の時に気づく。俺には才能も実力も兼ね備えていないと。

 それからは荒れに荒れた。そんな時、手を怪我した。

 音楽教師が家に来た。教師の女は、泣きながら俺の頬を思いきり叩き言ったんだ。

「新羅(シンラ)くんのピアノ好きなのに。聴けなくなったらどうしようかと思った。いい音を奏でる。ピアニストじゃなくても音楽教師になればいいじゃない」

 それから俺はパッタリ荒れなくなり、教師になる勉強をその女教師と必死にした。

 いつしか、その女教師と俺は恋に落ちた──。

 結末は上にばれて女教師は飛ばされたうえに、無理矢理引き離された。

 過去の悲しい思い出。あの時に作った曲。悲しい旋律──。

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