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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第9章 失恋~高校三年生~

「あッ!篠田って中学の時から
付き合ってた女とヨリ戻したらしいじゃん!
理佳にも同情しようか?バーカ!しねーよ!」

私に相手にされないことに
余程腹が立ったのか朱里が大声で叫ぶ。

それでも私は振り向かずに足を進めた。

男子の群れとすれ違う。

誰も私には声を掛けず目すら合わせない。

そして……智也とすれ違い様に
「理佳……おまえ篠田と……」

返事をせずに正面だけを見据え
歩みを止めなかった。

大丈夫。

智也は私の涙に気付いていない。

完全にすれ違ったと同時に
瞳から溢れ落ちた涙が頬を伝った。

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