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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第15章 すれ違い

女は当たり前のように
智也と肩を並べて歩く。

こちらへ向かって歩いてくる二人を
正門の脇で黙って見ていた。

私は恐らくとんでもないくらいの
鬼の形相を浮かべているだろう。

「……理佳」

そんな私に気付いた智也。

「久し振り……じゃないね」

昨日キス現場を目撃している。

でもそれを許すと決めた。

そう決めたはずなのに
二人が一緒に居る様を見た
私の心はざわついた。

「智也くん……私……先に行ってるね」

智也を気遣い踏み出そうとした女の腕を
智也が掴んだ。

「別に先に行くことはねぇだろ」

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