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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第27章 智也の事情~社会人③~

理佳と美鈴が同居するマンションで
下降するエレベーターを待っていた。

「理佳が居るんじゃないか?」
「居ないわよ。今頃美容室にでも
行ってるんじゃない?」

理佳との鉢合わせだけは
是が非でも避けたい。

理佳に知られたくない。

弱味を握られている俺を見られたくはない。

それなのに……

ドアが開いたエレベーターの先には
無情にも理佳が佇んでいた。

理佳は俺を冷たい眼差しで見据えると
美鈴に向かい微笑みかけた。

そして俺の腕に絡み付く美鈴は
理佳以上の微笑みを返した。

それは背筋が凍りつくほどの
不適な笑みだった。

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