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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第29章 智也の事情~社会人④~

「美鈴と離れられなかった」
「……どういうこと?智也も美鈴のこと
好きだったとか?」

理佳の表情がひきつる。

「それは違う。俺が好きなのは理佳だけだ」
「だったら……どうして……」

俺を問う理佳の声が若干震える。

理佳は俺が言わんとしていることを
分かっているのだろう。

残酷だが言わせてもらう。

傷付けてしまうかもしれないが
これからの理佳の人生を考えれば
誤解が招いた殺害の念に駆られるより
遥かにマシだろう。

「俺の身体が美鈴の身体から離れることを
拒んだ。美鈴の身体が欲しかった」

これでいい。

たった今、理佳が負った心の傷は
一生掛けてでも俺が拭う。

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