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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第31章 理想へ向けて①

「椎名さん……」

仙石は私の手を握り返すことも無ければ
抵抗するような引っ込める仕草もしない。

警察という立場的なものだろう。

そんなつまらないプライド染みたものは
私が簡単に覆す。

仙石は私の前では
『刑事』ではなく『男』になる。

「思い出してしまうと怖くて……」

仙石に乗せた手を軽く握る。

「成宮ですか?」

コクンと頷く。

「ラブホに連れ込まれて……あんな酷いこと
されて……」

握っている仙石の左手がひっくり返り
私の右手を強く握った。

イケるか。

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