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理佳のトリセツ~愛あるセックスは智也だけ~

第37章 山本雅樹の事情①

妹の美鈴が高校生の頃
一度だけ椎名理佳を
見掛けたことがある。

美鈴より4歳上の俺は大学生の頃
購入したばかりの愛車を
乗り回したいがために
美鈴が通う高校までよく迎えに行っていた。

正門前で美鈴を乗せ
走り出そうとした瞬間
俺の車の前を素通りする
女子高生がいた。

「理佳ッ!」

美鈴が助手席の窓を開け
その女子高生に向かって叫んだが
美鈴の声は空を切るだけだった。

「あれ、絶対聞こえてんだろ」
「いいの、いいの。あのクールさが
堪らないわぁ」

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