テキストサイズ

私の熊

第6章 熊さんさようなら



「もうやだ!」



そう言って熊さんの前で大泣きした。
私も熊さんもお互いを好きだと伝えた事が1度もない。
それでもお互いなんとなく分かっていた。

いや、分かっていたのは自分に対してだけだったのかもしれない。



熊さんはきっと、私が熊さんを好きと気付いてても。
熊さんは私とは違う感情なのかもしれない。




「んー僕はかなこが嫌いな訳じゃないんだよ?」


泣き出す私に優しく言ってくる。



「うん。でも好きって訳でもないでしょ?」

「それは...わかんないよ?」

「わかるもん」


私を好きでいてくれているんなら熊さんだって私と同じ気持ちのはずだもん!と、そう決め付けていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ