私の熊
第7章 おかえり?
話すー!と返信すると、直ぐに熊さんから通話が来た。
「まったくー!」
電話に出ると即答で熊さんから出た言葉。
「まったくー!」
私も熊さんの真似をする。
「まったくかなこはー」
「えへへ」
「...結構まいってる?」
「んーわかんない」
そう言ってヘラヘラと笑った。
「結構病んでましたよねー?嘘はだめだよ?」
なんで熊さんには分かるんだろう。
そう、ここ暫く、ずっと病んでいた。
正確に言えば今はもう開き直ってはいるけど、少し前までは自分の意識がはっきりとしていなかった。
「...なんでそう思うの?」
「そんなの聞かなくても分かるでしょ?」
「む...分かんないから聞いたの!」
「かなこのばかばかばかばか!!」
「ううう...」
何となく熊さんがそう思ったのが何故なのかは分かる。
心当たりなんてあり過ぎるよ。
だけど、それを見て私を病んでいると言われた事に少し恥じらいを感じてしまったんです。
自分で自分を病んでいると分かりたくなかったから。
だからこれは病んでいる訳ではない。
これは悲しんでいるんだ。そう...思いたかったのかもしれない。
「タイムライン。」
熊さんがそう一言口にして黙った。
「うん」
その通りだよと言わんばかりに返事をする。
ネガティブな私は更にネガティブな発言をするようになり、タイムラインでは事実をしらないと分からないような事を稀に書き込んでいた。
それは熊さんにしか分からない事で、
優しくない熊さんには分からない事で、
でも優しいから何となく気付かれてしまうような...
そんなタイムライン
それは具体的な物じゃなくて、
ただの自分の歪んだ気持ちを表す一言であったり。
気付かれたくないけど、どこかで気づいて欲しくて...
こんな自分に何度呆れたことか。
数え切れません