私の熊
第7章 おかえり?
「熊さん!」
「んー?」
「あのね」
そう言ってかなこは黙ってしまった。
話さない私を不思議がった熊さんは、再び、んー?と言う。
「自分勝手だけどね、待ってて欲しい。」
勇気を出して熊さんに言った。
「待ってるよ?」
そう迷いもなく返って来た事に驚いた。
本当にそれでいいの?と、思うくらいびっくりしたのだ。
あの時のあの深刻な状態は一体...
「なんの事か分かるの?」
「んー?何の事だろー?」
と、熊さんは意地悪を言う。
「...分かるでしょ!」
そう少し強めに熊さんに言った。
もう、こんな事自分で言うの恥ずかしいのに。
熊さんはごめんね?と、言いながら笑った。
「分かりますー」
そう返ってきて少しホッとした。
「でも...もしその間に、熊さんに好きな人が出来たら。その時はちゃんと諦めるから。それまで...」
かなこの声はもう震えていた。
「かなこ?何でそんな悲しい事言うの!僕がそんなふらふらした人だと思ってるの?ちゃんと待ってるから」
「...ほんとうに?」
「ほんとうに!」
こうして、なんやかんやありながらも、熊さんは帰って来ました。