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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

 毛糸をロープに見立てて、ロープ切りのマジック。


 まず妹に見せました。妹はね、まあまあ驚くんですよ。


 次にお母さんに見せるんだけども、見せたタイミングが悪い。


 料理をしてる時にしたんだ。


 見せたら「もういい? 終わり? 手、もたついてる」のお言葉。


 自信もってやってる者としたら、悔しくてしょうがない。


「もっと驚けっ!!」と怒るんだけど、お母さんからしたら「いま、忙しいの」。


 そりゃ、そうだ。それは、僕が悪い。 


 で、料理が終わって、夕食の用意をしている時に、グラスとハンカチを持った僕が現れる。


「ちょっと、見て見て」


 お母さんからすれば「また来たわ、こいつ……」みたいな感じだったでしょう。


「ここに、水が入ったコップがあります。ここにハンカチをかけますと……ジャジャーン!! 氷ができます」


「いま、ビニールを入れたの見えた」


 撃沈。それ以来、お母さんには一度も見せなかった。


 なぜ、バレるんだろう? 


 自信を取り戻したいので、妹に見せる。妹は、ユリ・ゲラーを見た時の僕のような目をしていた。


 そう、その目が欲しいんだよ。



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