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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

 握ったコインがスッと消えて、どこに行ったかと思えば、僕のズボンに引っ付いてるんだ。


 すげぇーっ!


 どうだと言わんばかりに、またコインを手の上でコロコロ。


 僕は思わず「このコイン、どこで手に入るの?」と聞いた。


「は?」


 ハーフダラーなんて持ってないし、初めて見た。


 500円玉より、ちょっと大きく、見栄えもいい。


 手の上でコロコロの練習をしたかった。


 たぶん、ラリ夫も「このネタ、どうやってんの?」と来ると思ったんだろう。


「えっ!?」てなもんで、「百貨店の、硬貨古銭売り場で買えるよ」と教えてもらった。


「どこで覚えたんですか?」


「はぁ?」


「いや、こんなマジックと技法、凄いなと思って……」


「……本で覚えた」


 こんな技法が載ってる本があるんだ。


 ラリ夫は「お前のネタ見せろ」と言うが、もう負けは決まっている。


「そんな凄いの、出来ないから」と逃げた。


「ちょっと待てっ!!」と言われたが「練習してから見せる」と言ったら、諦めたのか、追いかけて来なかった。


 その後日、百貨店に行って、コインを4枚買いました。



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