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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第6章 負けへんでっ!!

 なるほど。


 だけど僕のやるレパートリーのほとんどが、仕掛け入りの、道具を使ったものばかり。


 あとは、簡単な技法のある物しかやったことがない。


 初心者向けの、簡単な手品ばかり。


 すると、店員さん。


「最近、リングはやってる?」と聞かれた。


 4つの金属の輪っかを、繋げたりはずしたりするマジックだ。


 そう言えば、やってないなぁ。


「あれは使い方と練習次第では、とてつもなく不思議な現象を起こすよ」


 聞いただけだと、どうやってやるのかわからない。


 店員さんは、僕に1本のロープを持たせ、両手で縦にピンと張ってと言った。


 そこに、輪っかを通して、再び外した。


 ただそれだけで、僕は種を知っているのに不思議だったんだ。


「君だったら、どうやってるか、わかるだろ? ロープが横向きでもいいからやってみればいいよ」


 固いものが、固いものに通るのではなく、固いものが、柔らかいものに通る。


 家に帰って、ピンとロープを張って、何度もリングを通し、その都度「おぉーっ」と、一人で言ってました。



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