テキストサイズ

奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第8章 偉大な人に会うも、横道に逸れるあの頃

 まあ、劇場関係者もそれは承知の上。


 吉本の若手も、漫才やコントをしにくるんだそうだが、ほとんどウケずに帰るらしい。


 たぶん、有名な人が来たなら「おぉーっ」てなもんに、なるとは思うんだけどね。


 楽屋ひホワイトボードがあってね。殴り書きに出番の順番が書いてるの。


 僕なんかは「手品」しか書かれてなかった。


 あと、「チーム0」てあったの。僕は団体で出る踊り子さんかなと思ってました。


 いま、思えばだけど、あれって、月亭方正さんが当時組んでいた、漫才コンビじゃなかったのかな?


 わからないけどね。


 まあ、散々な思いで楽屋に戻ったら、裸の女の人が「これ食べる?」といなり寿司をくれました。


 正直、食欲はなかったけど、せっかくなんでもらいました。


 実は、もう一回だけ出番あったんです。嫌で嫌で仕方なかった。


 隅っこの方で肩を落としてたら、入場の窓口にいたおばちゃんが入ってきた。


「お兄ちゃん、ここでは、時間繋ぐだけでいいの。ウケなくてもへこたれんでええよ」


 顔を上げたら、そのおばちゃん、裸に薄い布をまいていた。


 出るの!?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ