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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

 だが、西くんはムキになって「ちゃうわっ!! 超能力あるんや!!」と言った。


「でも、いま見えてなかったやん。外れてたやん」


「あんな、宇宙のエネルギーくれる人がおってな、時々やけどパワーをくれるねん。いまは、パワーが切れてんねん」


 なんか、こんな感じの言い訳をしていたように思う。


 僕は「ふ〜ん」くらいしか、思ってなかった。


 西くんは、どうだと言わんばかりの表情。


 ほんで、僕はその話を……


「いいなぁ……そんな力を与えられて……」


 信じていた。


 つまり、ユリ・ゲラーも、西くんと同じように、力をもらっていたかもしれないと、のび太くんばりに信じていた。


 大晦日の夜。


 ドラえもんの大晦日スペシャルみたいなのを見ながら、下で両親が仕事を終えるのを待っていた。


 終わってくれなきゃ、年越しそばが食えない。


 この頃はまだ、理容店や美容店も遅くまでしていた時代。


 紅白歌合戦なんて興味はなく、ドラえもんが終わったら、見る番組がない。


 こたつに入って、妹と二人で年明けまで、ボードゲームをして遊んでいた。


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