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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 そこ一帯に生えてたもん、全部食ってたから、ひょっとしたら、すいせんがあったかもしれない。


 僕は野に生えてるニラは、いろんな病原菌があると思い込んでたんよ。


 バカですねぇ。


 で、約1年が過ぎました。そして、ようやく理容師免許を取りました。


 免許を取ったことで給料が、わずか1万上がりました。ここから、技術の向上に応じて、また給料が上がる。


 たまには家にも帰ろう。正月にも帰れなかったからね。1年も顔を見てなかったら、心配もするだろう。


 実家からは1時間もかからないんだけど、電車賃がなかったんだ。


 さて、その途中のこと。


 大阪の梅田駅を経由するんだけど、拾い場所で大道芸人がいたんだ。


 夜の9時くらいだ。


 ジャグリングやらバランス芸やら、凄技を披露して、周りに集まった客を魅了している。


 最後に帽子の中に、楽しかったという気持ちを、形でいただけないかと、頭を下げる。


 僕も、楽しく見させてもらったが、形に出せるほど持っていない。だが、ただ見は失礼だから、50円入れたのは覚えてる。



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