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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 大阪の梅田には、大きくて広い歩道橋があるんですよ。


 ストリートミュージシャンとか、怪しい外人が変なアクセサリーを売っていたりするんだけど、その少し離れた場所で、やってやろうと……だが、思った以上に度胸がいる。


 大道芸人らのパフォーマーは、それをして生計をたてている。だから、必死なんだが、こっちはまだ安いけど、理容師としての道に逃げられるという甘さがあると同時に、自分のマジックでどれだけの人が認めてくれるのかという、怖さがあった。


 また、営業や実演販売と違い、評価が値段で現れる。


 自分の腕を信じなきゃいけない。大道芸人達は、真正面からそれを売っている。鍛練して身につけた技を……中には危険な技だってある。


 そんなハラハラさせる技はないが、不思議はアピール出来る。マジシャンだから。


 いろんな考えが頭ん中を巡り「よし、出来る」と思ったり「あ、でも、出来るかな……」と自信を無くしたり。


 どこかに、ストッパーがかかり、始めようという一歩が踏み出せない。


 みんなやってるのに、なぜできない?


 舞台は出来ていた。後は、度胸のみ。



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