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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第9章 貧乏〜貧乏〜

 だが、そのマジックは、まったくやり方の想像がつかない、奇跡的なものだった。


「絶対マネできない、100%のマジックを考えてる」


 薬指にはめている指輪を示した。


 どう見ても指輪だ。輝くシルバーリングだ。


「薬指の先をしっかり掴んでてくれ」


 指輪がはまっている指先を、つまんだ。


 これで指輪を抜く事が出来ない。


「もう一方の腕で、俺の片方の腕を握っててくれ」


 これで腕は使えないってことだ。


 これで、なにをするんだ?


「俺の指輪をしっかり見てて」と言う。


 指輪を見た。


 僕がつまんでいる指に、しっかりはまっている。


 するとラリ夫は、指輪に息を吹き掛けた。


 その瞬間、飛びうつるように、指輪が指を抜けて、中指に移動した。


「っ!!」


 指はしっかりと掴んでいた。


 だから、指輪を抜くことは不可能。


 だが、指輪はすり抜けて、薬指から中指に移動した。


 地味にすごい。


「もっと、複雑にしようか」


 今度は指輪を中指から抜いて、小指にはめた。


「次は両手で、指の先を全部挟んで」



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