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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第10章 関西奇術連合

「あの、ひょっとして、難しいこと考えてない?」


 いや、そりゃ考えるわ。


「絶対に怪しいと思ってるでしょ」


 左右色違い、赤となんか模様が入った黄色のスーツ着て、パンツがシルバーなんだよ。


 で、確かね、むっちゃ紫の革靴みたいなの履いてた記憶がある。


 いや、違うかもしれないけど、とにかく、どこにまぎれこんでも一発で見付かるような衣装なんだよ。


 怪しさ爆発してんだろっ!!


 で、さりげなく聞いたんだ。


「あの……そこに春坂(ラリ夫)ってやついる?」


「春坂……ジャッキー春坂のこと?」


 いたんだよ。


 しかも、ジャッキー春坂って名前で。


 でも、よくわからないから、素直に入るなんて言えない。


「じゃ、一緒に事務所来ない?」


 怖いだろ!!


 なんか、暴力団みたいじゃん。


 てか、こんなド派手な衣装きてる、吉本新喜劇的な暴力団いるかな?


「ちょ……事務所って?」


「マジックの事務所」


 本当かよ……。


 すげえ怖かったんだよ。


 だけど、ラリ夫のことを聞くと、新地のスナックでマジックをしているところを、スカウトしたらしい。


 やつなら、行きそうだな。


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