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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第2章 始めてみる

 だが、そのベタベタパリパリが大きなヒントを産み出してくれた。


 上に置いたカードが次にめくると、違うカードに変化している。


 これがわからない。ここでずっと考えていた。


 カードになにか、仕掛けがあるようにしか思えなかった。


「これを覚えて、裏向きにここに置くんだ……で、めくると……」


 僕はその1枚をめくった。


「うわっ!!」


 飛び上がりそうなくらいに驚いた。


 本当に、一番上のカードの表が変わったんだ。


 だが、それはすぐにわかった。


 カードが2枚重なっていただけだ。


 手垢や脂、テーブルについたジュースを拭いた跡の残りがついて、ベタベタしていたため、カード同士が引っ付きあうのだ。


「あっ……」


 そこで、謎が解けた。


 そう、裏向きで置いたカードを次にめくるとき、2枚一緒にめくればいいんだ。


 これだと、カードが変化したように見える。


 だが、これが難しい。2枚を1枚に見せなければならない。


 どうやってもズレて2枚に見えてしまう。


 河内さん、凄い……。


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