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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第11章 ちょっとごめんね〜

 僕も聞き耳はたてていた。


 後、時間が5分。


 店員は「同じ量でやるとは書いてませんし、30分以内で食べれば問題ないので」と言う。


 そしたら、僕の目の前にそのおっちゃんが座って、箸を取って食べ始めたんだ。


「それはルール違反です」


「一人で食わなきゃ、ダメだって書いてないだろ」


 心配したのが、これで全部食った時、どうするんだ?


 最後、5杯目はまた普通に元の大盛りだった。


「まかせろ」と、そのおっちゃんが、平らげた。


 店長みたいなのが来て、「30分以内ですが、ルール違反なので代金をいただきます」と言った。


「なにを言うとんねん。お前んとこも、大食いで勝負出してんやったら、それなりにまともな出し方せんかい。途中で量を増やすとか、書いてないやないか。だから、こっちも二人でやったんや。一人で食わなあかんとか、書いてないがな」


 店長とおっちゃんの言い合い。


 で、そのおっちゃんなんですが、実は、僕が勤めていた理容店の常連さんだったんですよ。僕は顔を覚えてなくて、向こうが覚えててくれたみたいで、助かった。


 結局、1万円はもらえず、タダにすることで話はおさまったが、僕は、最初に頼んで払うつもりだった大盛り一人前分は払いました。


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