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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第12章 マジック新時代

 そこまでいくと、ネタや技術を「仕入れる」、「覚える」じゃ、ないんだよ。


 アイデアを「考える」になるんだよ。


 いや、そりゃ、元からそのやり方があって、セロやレオンが買ったかもしれない。


 あのマリックさんでさえ、その新世代マジシャン(レオンの場合、新世代と言うか、キャラで売れたようなもんだ)の真似ごとをするようになった。


 セロがツナマヨの軍艦巻きのお寿司を、両手で覆うと、イクラの軍艦巻きに変わるってのをやってたんだ。


 だが、マリックさんは「私は片手でやってみせよう」と、皿に置いたイクラの軍艦の寿司をキャビアに変えるってのをやったのよ。


 なんかねぇ……哀れな見せ物になってた。


『カチッ』て音がした。


 また、水槽に手を貫通させる技を、セロはハンカチを被せて、貫通する瞬間を隠していたのを、マリックさんは隠さずに貫通させるってやったんだよ。


 セロは水の入った熱帯魚の水槽でやったんだけど、マリックさんは、カブトムシが入った水槽。そこに餌のバナナを入れてあげる。


 ハッキリ言って、片面だけ、ガラスがない状態なんだよ。


 最初はちゃんとガラスが、はまってるんだけど、その水槽の周りに、カブトムシが逃げないようにと、金網がしてあるんだよね。


 で、その金網を外すとき、一緒に片面だけのガラスも外す。


 そりゃ、手が通るわな。



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