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奇跡を生み出す腕を手に入れた、大阪の兄ちゃんの話を実話で公開

第5章 あの超能力者再び

 ビデオデッキなんてなかったから、目をしっかり開いて見ていた。


 驚くことばかりだった。番組は東京タワーでやってたんだ。


 そこの方が、全国にパワーを送りやすいとか。


 ゴルフクラブを指先で折る。壊れた時計を動かす。鍵やスプーンを曲げる。


 心を読み取る。テレパシーを飛ばす。


 今だから思う。





 手品でもできるやん。


 でも、あの頃は興奮して見てたから。


 でも、スプーンなんて曲がらないし。


 ユリ・ゲラーは通訳を通して「私を信じてください」て、信じてたけど、出来ないんだよ。


 壊れた時計は電池換えたら動いたさ。


 テレパシーなんて、全国に数字を飛ばすといって、別会場で沢山の人が数字を書いたフリップを上げるんだけど、正解した人がパラパラいたんだよね。


 MCの人が「いました!! ユリのテレパシーを受け取った方が、会場に何人かいます!!」て……確率だよね?


 番組最後にある図形を、ユリ・ゲラーがテレパシーで送るんだ。


 その発表が、2週間後に発売のテレビ週刊誌載るっていうんだ。



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