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家政婦の水戸

第2章 長女、恵実と水戸さん

 なるほど、水戸さんはそう捉えているのか。


 心が広い。恵実に、水戸さんと紗知の爪の垢を、煎じて飲ませてやりたいよ。


『ま゚』


 俺が呟いたことを聞いたのか、水戸さんはとんでもない行動に出た。


 自ら左手の小指の爪を剥がし、それを俺に差し出してきた。


「いやいやいやいや、そうじゃない、そうじゃないっ!! 爪の垢であって、生爪そのものじゃない!! てか、これは命令じゃないから!!」


『ぬ゙』


「申し訳ありませんだって」


 通訳ありがとう。


 てか、紗知よ。お前はあの水戸さんの奇行を見て、なぜ平常心を保ったまま通訳が出来るのだ?


 こうして、とんだ茶番劇のような、恵実の個人的争いが幕を閉じた。


 次の日の夕食。水戸さんは、なにを勘違いしているのか、メインメニューを一人に対して二人前出してきた。







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