箱……漆
第4章 王子
「貴方が――――…“プリス王子”…?」
男性は、ニッコリと微笑み席に着いた――――――…
「ええ…私もプリス王子と言えばいいのでしょうか…」
「“私も…”?」
男性は、カウンターのマスターにコーヒーを頼むと…
俺をじろじろと見てきた――…
「――――…姫と…似てますね…
ご兄妹と言うのは本当みたいです―――――…
初めまして…御苑生 貴彦(ミソノオ・タカヒコ)さん」
俺は、ビクンとした―――…
名前など…告げていなかったはずだ…
「―――…何で…俺の名を?」
「――――…興味があったから……
と、保険のために――――」
保険…?
俺は、彼の言い方もそうだが…視線にゾクリとした―――…
強い…視線――――――…
彼は―――…いったい…何者…