箱……漆
第4章 王子
「――――…だから…何だって言うんですか!!」
俺は、男性の淡々と喋る姿勢に苛立ちを見せ!身を乗り出す――――――…
「お待たせいたしました…」
だが…怒りはコーヒーを持ってきたマスターに打ち消された…
「―――――…妹さんの死は…ご両親の死が原因の一つだと――――――…
私は思いましたけど……」
男性は、置かれたコーヒーを口に運ぶと……
至福の時の様な顔をした―…
「―――――…両親の…死?」
カチャリ…と…コーヒーを置くと…男性は、ええ…と…また微笑んだ…
「――――…香は…何で死んだんですか―――――…」
「何でって…言われましても…
自殺の理由は様々ですが……
姫達の理由は、ほぼ統一した【欲求】ですね――――…」
「欲求――――…?」
「ええ…強い…欲求」
男性は、口元を緩め…コーヒーを味わう――――――――…