箱……漆
第4章 王子
「我々は…【死体】になりたがる女性を…【姫】…
【白雪姫】と呼んでいます――――…」
【白雪姫】…
毒リンゴを食べ―――…
死んでしまう…
美しい姫―――――――…
「―――…香りも…“白雪姫”だったんですか?」
「ええ―――――…」
思考を停止し――――…話を聞くと…すんなり頭に入ってくる…
「――――――…【白雪姫】…
【プリス王子】――――…」
頭のなかで…
物語の背景が…パズルのピースの様にハマり始める…
「――――…まさか…」
「我々…プリス王子は…
白雪姫を森で見つけ…
恋をした――――…
ネクロフィリア…【死体性愛好者】の集まりです」
その瞬間――――――…
目の前が真っ暗になり―――…
俺は、前のめりに倒れた――――…
「マスター…睡眠薬効きが悪くないですか?」
「…男性に試すのは…初めてですから、勘弁してくださいよ――――――…」
薄れ行く意識のなかで…
男性と喫茶店のマスターの声が――――…
俺の耳に…
恐怖を残した―――…