箱……漆
第1章 妹
大学から…独り暮らしを始めた…香の部屋を…片付ける―――――――…
「――――…来月には、入居者募集するんで…早めにお願いしますね」
大家の心ないセリフ…
香が失踪していた約一年間は…
ちゃんと家賃を払い続けたのに……
その言い方はないだろう…
それに…
内心…部屋で死なれなくて良かった――――――…
ぐらい…思ったに違いない…
そう言えば…
両親が他界している香に…
俺以外にも保証人を着けろと…手続きの時も嫌みな感じだったのを今…思い出す…
大学とバイト先に近いからって…ここに決めたはいいが…
気分の悪いスタートダッシュだったな…
そして…今にいたる…
やっぱり…気分が悪い―――…