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君と僕。

第10章 君と僕と誕生日

「あかちぃん、これ何ぃ」

「日和見感染だよ。健康な人ならかからない病気に、エイズとかガンで免疫力の低下している人なら発症するってやつ」

「も、もう少し簡単に...」

「かかるやつはかかる、かからないやつはかからない」

「あざーっす」

お前それメモしてるけど、記述で書いたら多分減点だぞ。
手元に置いておいたコーヒーを飲み干し、まとめたノートをファイルに仕舞う。

「え、帰るの!?」

「流石にね」

家に帰ってからは実習の事前学習をしなければならない。
テストが終われば2週間の実習だ。
それに向けた学習や準備もテスト勉強と並行でやらないといけないから、最早地獄だ。

「実習の方もやんなきゃだし」

「やめて...言わないで...」

「文希市民病院だろ?やらないと殺されるぞ」

「うわぁあああ」

あまりにも哀れなので缶コーヒーを差し入れし、僕は地獄のような空間から抜け出した。

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