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君と僕。

第5章 君と僕と男気

小林 時雨。
23歳。
この若さで社長秘書になり、前代未聞だと社内では噂になった。

美しすぎるルックスと顔付き。

綺麗な黒髪は目を引き、長身な身体には程良い筋肉がつき、モデル顔負けな微笑み。

どこを取っても完璧、という言葉が似合う。

当然女子社員には絶大な人気を誇り、男性社員には尊敬と少しばかりの嫉妬が送られている。

自分に厳しい仕事ぶり。
同僚や部下にも厳しいが、物腰柔らかな口調。
信頼は部下、同僚、上司にも厚い。

それが僕の恋人のステータス。

時雨さんはそんな事ないよっていつも笑うけど。
僕にとっては勿体ない人で。

「何で僕なんだろ...」

不思議で仕方ない。

「あかちんまたその話」

僕を昔の傷薬の様に呼ぶのは大学の友人、梶 文希(かじ ふみき)。
フワフワしたショートマッシュの茶髪とブイネックは大学生の代名詞みたいな容姿だ。

「また年上彼女のこと?」

「う、ん...まぁ」

「羨ましい限りな悩みだねぇ」

うひひ、と気持ちの悪い笑いを見せる文希。

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