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第5章 確信ーENA sideー

「無理だよ……」
「………………とにかく!! 落ち込んでたって仕事はあるし、毎日やってかなきゃなんないんだから、切り替えよ!!」
「………………」


芹菜の言う通りだと思う。
今日は仕事早退しちゃったし、明日からはちゃんとしないと。


とは言え、すぐに切り替えられるはずもなく、次の日の仕事中はぼーっとしてしまう事が多く、周りの人にかなり迷惑を掛けてしまった。


「すぐに切り替えるのは無理だと思うけどさ」
「はっ!! びっくりしたー!!」


衣装室でぼんやりとしていたら突然後ろから芹菜に話し掛けられた。


「絵那らしくないよ、ぼーっとしてんの」
「うん…」
「仕事人間の絵那でも、やっぱ切り替えれないか…」


昨日の今日で、切り替えれる訳ない。
でも、仕事はちゃんとしないと。
分かってはいるんだけど………


「とりあえず!! 今週1週間無心で働きな!! いつもは家にちゃんと帰れって言うけど、今週は帰らなくてもいいから!!」
「……うん」
「ドラマの仕事、最後の1週間だよ。 頑張ったら美味しいお酒飲めるよ!!」


そっか、そうだった。
後1週間でドラマの撮影が終わる。


家に帰ったら辛くなるだけだから、今週は早く帰れそうな日でも家に帰らず事務所で寝泊まりして過ごした。


「このカットをもちまして、オールアップです。 お疲れ様でした!!」
「「お疲れ様でしたーー!!」」


終わったーーー‼


「絵那!! お疲れ。 なんとかがんばったね、えらかったよ」
「ううん、ごめんね芹菜。 心配かけて」
「ほんとだよー‼ まぁ、こんな事があっても演者さんに迷惑掛けるような失敗しなかっただけさすが絵那だなって思うけど」


芹菜らしい褒め言葉に苦笑いで返した。


「まっ、この後打ち上げだし、パーっと呑も!!」
「うん!!」

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