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第1章 出会いーENA sideー

「ありがとうございます」
「入り、お早いですね」
「えっ、あっ、すいません。 ファッション雑誌に一人で載るのって初めてで… いつもメンバーがいるから一人ってのも慣れてなくて… マネージャーからはちゃんと時間聞いて来たんですけど、早かったですかね???」


どうやらマネージャーさんは他のメンバーの仕事に着いて行っているらしく、一人でスタジオに来たとの事。


マネージャーさんいないからなのか、なんか…、おどおどしてて、全然アイドルっぽくないんですけど…
アイドルの人って普段からもっとキラキラオーラが出てるもんだと思ってたけど…


「TVは打ち合わせとかもあるから、かなり早く入らないとダメですもんね。 雑誌は打ち合わせとかないんで、モデルさんとかいつもギリギリに入られますよ」
「そうなんですね。 勉強になります。 あっっ、TVのお仕事もされてるんですか??? 僕…、仕事ご一緒した事ありました…???」


彼はハッとしたように口に手を当て、今までに私とどこかで出会っていたかどうかを必死に思い出そうとしているようだった。


「初めましてですよ」
「あっ、そうですか、良かった~~。 もしかして何かでお世話になってたのに初見みたいな態度取っちゃってめっちゃ失礼な事してたかなって不安になっちゃいました。 あっ、俺、UNIONていうグループの大森駆(かける)といいます。 よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします。 UNION…ていうグループ名はなんとなく知ってるんですけど…、アイドルの方に疎くて、ほんとにすみません」


ここ何年かは家でゆっくりTVも見ていないので、人気のアイドルとか、アーティストとかにめっぽう弱く、私の中の芸能人情報は何年か前の状態で止まっている。

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