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teardrop (of the child)

第2章 −真友−

ワケがわからず迷惑そうな藤沢は「お前なんか、知らねーし」と突き返す。

しかし、松本は「そうだよねー!俺もあまり藤沢の事知らないんだけどさ。でも、きっと藤沢って良い奴だと思うんだ」と、あっけらかんに言う。

「だから俺と友達になろうよ」

藤沢は更に怪訝な顔をして「はぁ?…面倒臭ぇ…」と嫌そうな顔して松本を見る。

松本は「藤沢が嫌がっても、絶対に仲良くなるって俺は決めたし!」と決意を表明する。

無邪気に笑顔で言う松本に藤沢もついつられて顔が弛んで「何?お前…」と呟く。

「俺?…俺は今日から藤沢の友達だ!ヨロシクな」

堂々と自信満々に言う松本に藤沢は呆れて、鼻で笑うと「じゃあ、勝手にしろよ」と言った。

すぐ後で別のクラスにも成宮がいると知る。

あれから成宮と藤沢は仲が良くなって今では友達らしい。

松本が成宮に声をかけると、お互いに顔を覚えていてすぐに仲良くなった。

今までどことなく寂しかった松本はやっとその寂しさが藤沢との出会いで埋まったように感じた。

松本の人懐こく素直な性格はあまり他人に心を許すことがなかった藤沢の心も開いていく。

そして互いに、まるで昔から馴染んだ仲のように気を許しあえる仲となる。

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