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teardrop (of the child)

第2章 −真友−

入学式の日。

松本が廊下を歩いてると、先生の嫌味ったらしい説教が耳に入ってきた。

「地毛なワケがないだろ!嘘をつくなっ!」

入学式だというのに目立つ髪の色をした奴がいる。

「あ!?嘘なんかついてねーよ!だから、地毛だっつってんだろ!わかんねー奴だなぁ!」

威圧的な先生相手に負けず生意気な口を聞く新入生の男。

顔は見えないが松本はどこかで見た事があるような気がした。

そして、その男は松本と同じクラスになった。

顔を見た瞬間に思い出す。

「ああーっ!!」

急に声を出した松本を男は不審そうに見る。

松本はすぐに男に近寄って行く。

「なぁ、俺さぁ松本って言うんだ」

藤沢は怪訝な顔をしながら「は?」と返答。

「確か藤沢…だよね?俺、隣の中学だったんだ」と言うと、藤沢は「…だから何?」と冷たく言い返した。

そんな事は全くお構いなしに松本はニカッと笑う。

「まさか同じ学校でクラスメイトになれるなんて…俺さ、ずーっと藤沢に会いたいなって思ってたんだよね〜」

嬉しそうに松本は言った。

馴れ馴れしい松本に藤沢は困惑している。

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