テキストサイズ

君の隣

第2章 想いーKOUKI sideー

俺が寝る為に大学に来てるような状態になっていたここ最近、彼女からの視線を度々感じるようになった。
…あまり好かれていないと分かるような視線ではあったが。


きっと真面目に勉強して、バイトもしている彼女からすると、アイドルやってる俺なんてチャラい人ぐらいにしか思われてないんだと思う。


彼女を見ていて色々気付いた事がある。


学校の敷地内にある図書館でよく一人で勉強をしている事。
一番仲の良い親友と放課後よくカフェめぐりをしている事。
彼女の親友の杏という子はアイドルの俺に少し興味を持ってそうな事。
駅前のカラオケ店でアルバイトをしている事。
いっこ上の安浦という奴を好きな事。


安浦…、よりによってなんであいつ…
あいつ、あんまりいい噂聞かないんだけどな。


まぁ…、俺には関係ない…けどーーー


「おまえそれ、もう完全に好きじゃん」
「えー、別に好きとかではないんだよなー、ただ、全く俺に興味を持ってくれないからちょっと気にして欲しいなって思ってるぐらいで」
「いやお前TVの仕事あんま入れてもらってないじゃん。 世間の認知度低いぜ? お前。 興味有る無し関係なくまずお前が芸能人だって事しらないんじゃねーの」


こいつはメンバーの陽川蓮(ようかわれん)。
蓮と撮影の合間に話してたら大学の話になって、いつの間にか彼女の話になっていた。
蓮の発言はいつも容赦ない。


「でも大学では俺結構ワーキャー言われるんだって‼」
「でも別にワーキャー言ってこない人なんて他にもいるだろ??? その子だけ気になるってのは好きって事になるんじゃないの???」
「んー、そうなのかなぁ…」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ