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「おはよ、まーくん。」


小学校の登校中、誰かが僕に話しかけた。


「柚希ちゃん。おはよう。」



櫻井柚希ちゃん。


僕の幼稚園の頃からの幼馴染で、

僕に唯一優しく話しかけてくれる人。



「柚希、また雅紀と話してるの？」



と、クラスメイトの山本五月が言う。



僕の名前は相葉雅紀。

東京の小学校に通ってる6年生。



今は9月の始まり。

二学期の始まりだ。



柚希ちゃんとは、夏休みの間、

ほぼ会ってたから、そんなに

『久しぶりだね』っていうほどでもない。




けど、少し目をそらすだけで、

キミが大人になっていく気がして、

キミが僕から離れていくような気が

して、怖い。