テキストサイズ

おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第6章 コミュ障。


 川上さんと山岡さんの視線を避ける様に身体を丸め、唯、首を振るだけのアタシに、お二人は困った様に溜息を吐く。すると、箱を携えた高槻さん達が、備品庫から戻って来た。

 「どうしたんだ」と高槻さんが、お二人に声を掛けると、「分からない」と言うように、両の掌を天に向け、首を傾げながら肩を竦めるお二人。

 それを見て、高槻さんは「やれやれ」と溜息を吐くと、アタシにこう言った。

「森脇珠子。先程、私に頷いて見せたのは何だったんだ? 仕事だと割り切れたんじゃなかったのか?」

 高槻さんの声は冷たく、氷柱が頭上から降ってきた様にアタシの心に突き刺さる。アタシはその声に身体を震わせ、涙を零した。

「泣いて許されるのは、子供だけだ。君は社会人だろう? もう、成人式だって終えた大人だろう?」

 高槻さんの言葉は次々とアタシの心を削り取っていく。高槻さんの言っている事は分かるけれど、そんなにキツイ言い方をしなくてもいいじゃないか。

(もう嫌っ!!)

 高槻さんの言葉に打ちのめされ、それに堪えられなくなったアタシは、ベッドから飛び降りると、自分の姿を忘れて、その場から逃げたのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ